tackman's ゲーミングブログ

七色に光るわけではない(多分)。ボードゲーム関連の話題が多めになるかも

今年の訪問まとめ:特に海と坂と猫の古都

この記事は「どもがよAdvent Calendar2023」12/13分です。前日はjinさんのここ最近で経験したよかったものでした。十三機兵防衛圏はプレイした人みんな褒めてますね、とりあえず積むべきかな…?

ソウル

競馬のコリアカップを見に行くために国内旅行感覚で行ってきました。実際飛行機に乗ってる時間は九州まで行くのと大差ないし、航空券の実効価格は函館行きの方が高かったくらい。

街の印象としては「良くも悪くも平成初期の日本っぽい」「明洞と新宿の区別がつかないんだけど文字や会話はしっかり異国語のパラレルワールド体験」という感じです。if世界の日本体験をしたい人にはおすすめかも。

新宿かソウルかクイズを出されたら正解できる自信はない

コリアカップとソウル競馬場に関しては「今年行った競馬場振り返り」で改めてまとめるつもりです。あとnoteに投稿してみた記事はあります。

パリ

去年もエッセンシュピールからの帰りに寄ったのですが、その時は発熱をしてしまいロクな観光ができず悔しかったのでリベンジを兼ねて来ました。とは言え今年はルーヴルなど美術館で資料集めをする&凱旋門賞の観戦をするというミッションがあって滞在したため、振り返ってみると今回もあまりまともな観光はしていない気も…特に凱旋門賞でPlace(複勝)は取れる自信があったスルーセブンシーズちゃんがそれ4*1になったため、パリご飯を食べる予算がなくなったなどの影響もありました。ルメールおまえなーっ

凱旋門賞に関しては「今年行った競馬場振り返り」としてまとめるつもりです。

ルーヴルに関しては腹を決めて1.5日かけて回ったため、それなりの成果は得られました。美術館というと楽しむためのハードルが高い印象がありますが、ことルーヴルに関してはシンプルにデカい!すごい!!という分かりやすい魅力があるので、美術史なにも知らない勢でもおすすめできます。ルーヴルは元が宮殿なので、「美術館」という単語からイメージされるよりはるかに巨大で壮麗です。敢えて例えれば皇居が丸々美術館になって隅々まで歩ける感じ(共和制国家!!)。

バルセロナ

凱旋門賞シュピールエッセンの間でつなぎに欧州のどこに行こうかな、となった時に地中海を見たくなったので立ち寄りました。結果的に凱旋門賞で負けた傷心を地中海の陽光が癒やしてくれて、大変暖かったです。

ただ旅程としては問題があって、欧州域内の移動ならLCCで安価に行けるだろうとタカをくくっていたのですが、スーツケースを持ち運びながらLCCの中でもまともな航空会社を選ぶとお値段もそれなりになってしまいました。ついでで行くには若干交通費が膨れてしまったので、陸路でベルギーやオランダに寄るルートに比べて他人におすすめはしづらいのは残念です。

バルセロナは大変治安が良くご飯も美味しく、しかも円安が大変厳しい時期にも関わらず物価は東京並で済んで最高でした。

どれくらい治安が良かったかと言えば、夜中の22時頃に繁華街をフラついても身の危険を感じないで済むほど。一般に海外を日本の治安感覚で歩いてはいけないと言われますし、パリやUSAは実際ドン引きの治安の悪さなのですが、バルセロナに関しては安全安心でした。

ご飯の方は、単に安くて美味いというだけでなく日本人の味覚に合うのも高得点でした。魚介ベースの地中海料理+白ワインの組み合わせが日本料理+日本酒とパラレルで、現地飯だけ食べていても日本食シックにならずに済みそうです。

イスタンブール

欧州からの帰路におすすめなのがイスタンブールです。先日の記事で紹介したように、欧州帰りだと実質タダでイスタンブールは訪問できます。

イスタンブールは三方を海に囲まれた坂の街で、猫がいっぱいの古都です。バザールという商店街要素もあります。地中海式の穏やかな気候までついてくるので、設定だけならきらら漫画の世界です。

旧市街はヨーロッパ側から突き出た半島状になっていて、北に金角湾、東に海峡、南にマルマラ海で三方が海になっています。半島の中央部が小高い丘になっているため、中心から軽い坂道が続いています。坂と海の街はもうこの時点で絵になることは、神戸や尾道を思い浮かべてもらえば納得していただけると思います。

そして猫。とにかく猫が多く、至る所に猫がいます。油断するとうっかり猫踏んじゃったをしそうなくらい猫がいます。ねこはいます。本当にあらゆるところに猫がいて、ホテルのフロントは猫ですし

フロント係のねこ

街角で振り返るとねこがいます。

視線を感じてふと見上げたら目が合った猫。かなりびっくりしました

人通りのある中で子猫は遊んでいますし

ヒトに対する警戒が必要ないと知っている子猫たち

茶店のテーブル下で授乳まで始める母子がちがいます。

ねこ授乳中…

イスタンブールの主人はねこなので、警察車両よりもえらい

パトカーを占拠するねこ

イスタンブールは猫の都というネット記事を事前に読んでいたので知識として知ってはいたのですが、話半分で聞いているところはありました。そして現地を歩いて、私が間違っていたことに気づきました。ねこはいます。イスタンブール市民も皆ねこに優しく、食べ物やすみかを提供します。ねこの脅威は人類が排除します。イスタンブール2000万の人民がねこに奉仕します。ねこの生存、繁栄、幸福のためにイスタンブールという巨大システムが存在しています。ねこはいます、イスタンブールに。

「猫は人類の脆弱性を突いてただ可愛いだけでヒトを奉仕させる上位存在」というネットのヨタがありますが、猫のために存在するかのようなイスタンブールという街を見ると真顔になる実感がありました。

ねこ以外のイスタンブール

ながーーーーーい歴史を持つ古都なので、もちろん史跡には事欠きません。その辺にビザンツ時代の遺構が落ちていたりしますし、アヤソフィアはじめ寺社系建築物にも事欠きません。その辺に何の説明もなく転がしてある石碑も、日本なら重文級なのでは…?と疑われるものが多数ありました。

市街地で当たり前の顔をして建っているビザンツ時代の水道橋

単なる古都ではなくトルコ最大、世界有数の大都市なので生きている建造物の方が多いです。加えて海と坂の街なのでとにかくバエる絵も多い。

夜にきらめくYeni Camiモスク

きらら漫画を作ることがあればイスタンブールをベースに舞台を作りたい、という新たな野望が生まれたりしました。

バザールとトイレ

旧市街にはバザール(市場)があり、いかにも中近東!という雰囲気はありつつ危険があまりない形で味わえます。狭い路地をカップ一杯まで注いだチャイの出前を運びながらpardon pardonを連呼しながら人混みをかき分けるお兄さん、日本人と見るや「ミスター!」「モッテケドロボー!」という声がけをしてくるキャッチ(誰だよこんな日本語教えたのは)、観光地化した中心部から200mほど歩くだけで三分の一で売られているイブリック*2、絶対パチモンとしか思えないGUCCIと大書された衣料品、日本の二十分の一くらいの価格で買える衣料品やアクセなどなど。ぼくたちの想像するバザールそのものがあって、ここきらら漫画でした。

バザール

バザールはなんだかんだ小綺麗になってはいるのですが、大元は古いせいかトイレが少ないので少し難儀します。チャイが美味しくて調子に乗って飲んでいたため、軽く尊厳をかけた戦いはありました。きらら漫画ならバザールでお漏らしする回が絶対ある。

イスタンブールの公衆トイレは基本的には普通のトイレなのですが、足洗い場が必ずついているのは日本人目線だと面白ポイントでした。何に使うんだろうと思って見ていると、皆さん本当に靴と靴下を脱いで足を洗っている。自分の感覚だと、サンダルならともかく靴をはいていると足を洗うのは面倒そうだなあと思うものですが、日本人がウォシュレットに偏執しているようなものと思えばそういうものな気もします。モスク前でも足洗い場が標準装備(神社の手水のような感じで足洗い場がある)のお国柄なので、適度に足を洗わないと気持ち悪くなるのかもしれません。

イスタンブールの空港事情

適当に検索エンジンで調べただけだと案外情報が少なかったので、イスタンブールの空港事情に関して2023年10月時点での情報をまとめておきます。

基本的な事項

イスタンブールには2つの国際空港、欧州側にISTイスタンブール国際空港とアジア側にSAWサビハ・ギョクチェン国際空港があります。ややこしいことに、欧州側には過去に別の「イスタンブール空港(ケマル・アタチュルク空港)」がありました(本稿では以降「旧空港」と呼びます)。この旧空港は旧市街中心部に近いところにあるのですが、この手の立地あるあるの拡張性の問題を抱えていました。この間アジア側にあるサビハ・ギョクチェン国際空港と合わせてイスタンブールの空路需要を担っていたのですが、トルコリラのインフレ率より速く成長する需要をまかないきれなくなったため、近年になってヨーロッパ側に作られたのが最新の「イスタンブール国際空港」です。ややこしさに輪をかけるのが空港コードの変更で、かつては「IST」は旧空港に割り振られていたものが、新イスタンブール国際空港の開港でISTはイスタンブール国際空港に割り当てられました。古い記事では旧空港を「IST」としていることもあるので注意が必要です。

思いつくままにかえって人間を混乱させるようなことを書き連ねました。まとめると

  • ISTイスタンブール国際空港:欧州側にある最新最大の空港
  • SAWサビハ・ギョクチェン国際空港:アジア側にある第二空港
  • 旧空港:現在は旅客が使うことはない

となります。

イスタンブール市街と空港の乱暴な位置関係

ISTイスタンブール国際空港とSAWサビハ・ギョクチェン国際空港はそれぞれ市街地を挟んで反対側にあります。直線距離で60km以上離れている上に、空港同士の陸路でのアクセスも良くありません。

SAWサビハ・ギョクチェン国際空港はアジア側にある一方、イスタンブールの中心地はヨーロッパ側にあります。ボスポラス海峡は都市の規模の割には橋の本数が足りておらず、慢性的に渋滞傾向があるようです。加えてメトロなどの公共交通機関も弱く、有り体に言ってしまえば羽田空港に対する成田空港のような残念立地感があります。今回は到着時にSAWサビハ・ギョクチェン国際空港を利用したのですが、そこからヨーロッパ側にあるホテルまでハイヤーで30km少々移動をするだけで2時間近くかかりました。

一方のISTイスタンブール国際空港は、新しいイスタンブールひいてはトルコ共和国の顔として気合を入れて整備されています。空港自体も新しくて大きくてピカピカなので空港建築マニアなら一見の価値がありますし、メトロも急速に延伸されて市街地中心まで現在進行系で伸びてきています。

私は移動にあたって割りとGoogle Mapsに依存しているのですが、このISTイスタンブール国際空港へのアクセスに関してはGoogle Mapsの持っている情報が古いためか新しいメトロの路線を使ったルートを出してくれませんでした。Google Mapsが途上国の情報に関しては手薄になりがちであろう点と、トルコのメトロがすごい勢いで整備されていることの合せ技なんだろうなと思います。

ISTイスタンブール国際空港へのメトロ

ISTイスタンブール国際空港へはメトロM11号線でアクセスできます。M11号線は空港側から起工して市街地側へ延伸しているようで、2023年10月の段階ではGayrettepe駅という非常に中途半端なところが市街側の終着駅でした。Gayrettepe駅は新市街(ヨーロッパ側かつ金角湾の北側のエリア。アジア側のことではない)の北の端あたりという位置で、旧市街から空港への中間地点あたりにあります。

Gayrettepe駅自体には何もないとは言え、ここでメトロM2号線に乗り換えができるのでそこからイスタンブール中心部へのアクセスはそこまで困りません。ただしM2号線とM11号線のホームはつながっておらず、一旦改札を出て屋外を200mほど歩く必要はあります。あくまで仮の終着駅ゆえの不便さかも。

完全体とは言えないM11号線ですが、開通済み区間は最新鋭設備で高速運転をしており、距離的にはそれなりに離れているISTイスタンブール国際空港まで20分も乗車していれば着いてしまいます。ISTイスタンブール国際空港自体と合わせて国威路線!という圧は感じるピカピカ路線だったので、来年には市街中心部まで延伸されているかもしれません。

国威鉄道ということが一目で分かるM11号線車内。無限エルドゥアン大統領列車

ちなみにトルコのGoogle Mapsの情報は古くなっていることが少なくなく、Gayrettepe駅付近に関しても現状が反映されていないようです。ついでに3Dビューも使えません。見知らぬ土地でもあらかじめストリートビューで確認ができる世の中になって久しいですが、イスタンブールに関してはまだ行ってみて現地で勝負をせざるを得ない点は多そうです。

本稿のために改めてネットで拾えるM11号線の情報を調べたのですが、最新過ぎるのか仕事がテキトーなのかイスタンブールメトロ公式ページに掲載されていませんでした。いや流石にそれくらいは掲載していて欲しいんですが…

ホームページの情報は更新されていませんでしたが、現地の案内板にはちゃんと「空港ならこちら!」が英語併記で掲載されているのでそこまで不親切というわけでもありません。加えてイスタンブールのメトロには必ず警備員(警察か軍人か、いずれにしろ公務員系)がいるので困ったらカタコト英語ででも尋ねれば何とかなると思います*3

ところで最近急に海外旅行オタクになってない?

プーチンが悪い。もう少し言えば行けるうちに行かなければという危機感に火がついた、ということになります。

自分の中の「そのうち行ってみたい街リスト」の上位の方にサンクトペテルブルクやモスクワはあったのですが、2022年2月以降生きている間に、あるいは少なくとも元気な間に観光で行くには一気にハードルが上がってしまいました。ウクライナへの全面侵攻は「まさか」の事件でしたが、まさかというようなことが一晩で起き得る世界に住んでいるということを痛感させらせました。

世界情勢がご覧の有様で、予見可能な将来においては悪化する一方です。加えて自身の年齢も考えると、世界情勢が落ち着くのを待っていては良くて海外に行けるような健康体力が無くなっている、下手するとその前にお迎えすらありえます。というわけで、金と暇がそこそこある今のうちに行けるだけ行くしかないという焦りもあり機会をみつけて行っている次第です。

明日の記事は柳雪さんの「娯楽の王様たち2023」だそうです。何の記事か想像がつきませんが、面白そうなものを紹介してくれそうです。

*1:馬券を買った馬が惜しくも4着になること。好走してるんだけど馬券としては3着以内に入らなければ意味がないため

*2:トルココーヒーを入れるための小鍋

*3:途上国一般の話として官憲の腐敗に注意が必要ではあるのですが、イスタンブール中心部かつメトロ構内に限ってはそちらの方向の心配はあまり必要なさそうには見えました。とは言えこれは狭い範囲の主観での判断なので、旅の安全はご自身で。